2019-01-01から1年間の記事一覧

「頭から声が出ている状態」「頭の高いところによく響いている声」について。

ヘッドボイスなどなどについて説明したついでに。 ボイストレーニングの現場では、「頭から声を出すようにしなさい」とか「頭の高いところによく響かせなさい」などというような言葉がよく使われています。 これについては、これまで説明してきた、「声区」…

「結果」から考える、声区の話。

「声区の違いとは、声帯の使い方による声の変化である」(新しめの定義によれば)ということを今まで書いてきました。 今回の記事では、声帯がどう変化したら、声が結果的にどのように変わるのかということについて書いていきたいと思います。 まず、チェス…

声区に関する言葉の変遷について。

ボイストレーニングの歴史的な話をすると、「ヘッドボイス・ミドルボイス・チェストボイス」「頭声・中声・胸声」という言葉は、 実際に身体の「その部分」(ヘッドボイスなら頭、チェストボイスなら胸)に声を響かせることのみによって、「そういう声」(ヘ…

「ミックスボイス」について。

ミックスボイスという言葉は、日本ではいつの間にか自然発生的に広まったものなので、使う人によって意味が大きく違うこともある言葉なので注意が必要です。 「ミックスボイス」という言葉を、先日記事を書いた「ミドルボイス」と同じ意味で使っている人もい…

「ミドルボイス」について。

「ミドルボイス」の(ボイストレーニングについてそこそこ詳しい人の間で比較的無難な)定義の例について考えていきます。 声帯全体を普通に開閉させる→「チェストボイス」 声帯を「短く、一部分だけ」使って高音を出す→「ヘッドボイス」 という定義を前の記…

「原因」から考える、声区の話(その2、地声と裏声について)。

前回の記事で書いたように、声を出すときの声帯の状態には、 声帯全体を普通に開閉させる 声帯を「短く、一部分だけ」使って高音を出す 声帯を「表皮だけを振動させて」高音を出す という3パターンがあります。 で、このパターンの違いが原因となって声の高…

「原因」から考える、声区の話(その1、何が違うのかについて)。

声区とは、ものすごく大雑把に言えば、「低い声(地声)を出すときと、高い声(裏声)を出すときって、なにかがぜんぜん違うよね」という体感をもとに、その「違い」にもとづいて、声を高さや質に応じていくつかに区分けしたものということになります。 そこ…