呼吸、声帯、共鳴

人間が声を出す一般的なメカニズムは、「声帯を呼気によって開閉、振動させ、それによって音を鳴らす」「その音を口内などの共鳴腔に響かせ調整することで、声と呼ばれる音になる」という感じになっております。

つまり、呼吸→声帯→共鳴によって声が生まれる、と言えます。めちゃくちゃ短く言えば。

そして一般的には、声に何か「違い」が起こったときには必ずこの「呼吸、声帯、共鳴」の3要素のどれかに何らかの変化が起きたと言えます。

逆に、「呼吸、声帯、共鳴」の3要素のどれにも何も変化が起きなければ、声は絶対に変わらないとも言えます。

(話をわかりやすく断言するために、外的要因に関しては色々と無視することとしています。)

なので、基本的にボイストレーニングでやらなければならないことは、何らかの行動を通して、この「呼吸、声帯、共鳴」の3要素のいずれかに働きかけることです。

そうでなければ、トレーニングとしては無意味です。

 

なので、ボイストレーニングを行う上でとても大切なことは、そのトレーニングによる効果が「呼吸、声帯、共鳴」の3要素のうちの「どれ」に「どのように」働くのかをしっかり把握しながらトレーニングすることです。

巷にあふれるボイトレ法では本当に様々なトレーニング法が紹介されているかと思いますが、「呼吸、声帯、共鳴」の3要素を直接ああしろこうしろという練習法もあるし、そうでないものも多いかと思います。たとえば、一見「呼吸、声帯、共鳴」との直接的なつながりのわかりにくい、表情や姿勢の話であったり、イメージの持ち方であったり。

でも、そういった直接のつながりのわかりにくいトレーニング法であっても、目的は必ず「呼吸、声帯、共鳴」のいずれかに働きかけることにありますので、その目的を理解したほうが、トレーニングの効率は良いものとなるでしょう。

ボイストレーニングをしていく上で、「この指示はいったい何のことを言いたいのかな」「この練習は何にどう作用するのかな」ということについて迷うこともあるかもしれませんが、まずはそのような疑問にしっかり答えられるボイストレーナーなり教科書を選ぶことが大切だと思っています。

(ごく初心者向けだと、「難しいことは考えずにとりあえずやってみよう!」的なものでもいいかもしれませんが。初心者向けなら。)

 

また、「呼吸、声帯、共鳴」に何をしたらどのような力が働くのかを知るためには、身体に関する正しい知識と理解が必要です。

当然ですが、身体の構造を知り、どこにどのような力を入れると声にどのような変化が起こるのかを知ることが、トレーニングをする上ではとても大切なこととなります。

これについても、トレーニングとそれが声に及ぼす効果を、身体の構造というか関係性に基づいて正しく論理的に説明できるボイストレーナーや教科書を選ぶことが、上達のためには大切になってくることでしょう。

 

 

 

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